鈴姫


「あ、東遠くん!紲いる?」

「え?あー……、パシらせちゃいました、すみません」

「え、まだテストの時期じゃないのに?小テストでもあったの?」

「はい、そんなところです」

「そっか……、じゃ、あたし探して来るけど帰って来ちゃったらメールくれない?」

「はい、わかりました」


そんな奏真と鈴姫の会話を聞いて、鈴姫が教室を出て行ったのを確認してから俺は教卓の中から出て言った。


「奏真お前いつ鈴姫とアドレス交換したんだよ!?」

「あ?とっくにメル友だっつの」

「は!?」


……イラついてしょうがない。

でも、奏真には苺がいるんだから、恋愛関係ではないことくらいわかってるし、ただの後輩だってことも理解してる。

俺のために仲良くしてくれてることもわかってる。
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