鈴姫
とりあえず、俺達はそのまま鈴姫の様子を見ることにした。
「……ヒメって呼ぶなって言ってるのに」
「はいはいごめんね、陽乃芽」
どうやら鈴姫の名前はヒノメらしい。
なんともかわいらしい名前で、どこまでも俺の好みだ。
「あたし急ぐから、また明日ね!」
「またね」
落ち着いた声に、惹かれてしまう。
どこまでも透き通っているような声。
「オイ紲、行くぞ」
「え?いま?」
奏真は俺を連れて鈴姫の元へ行った。
「愛河陽乃芽先輩」
……アイカワ……?
まさか奏真の奴、フルネーム知ってたのかよ!?
味方じゃなかったのかよ!?