鈴姫
「お、おま、陽乃芽先輩……」
「告白されたんだ」
昨日は恥ずかしくて言えなかった。
俺は惚れっぽい……というのか、今考えればただ『可愛い』と思った子に目がいきやすいのか、時々今回みたいな『ヒトメボレ事件』がよくあり、ことごとく弟で終わって来た。
今考えても悲しい現実だった。
初めてだったんだ、恋愛までのし上がったのは。
昨日は無我夢中に抱き付いた。
とにかく鈴姫が可愛くて、愛しくてしょうがなくて、ただただギュッと抱きついていた。
『……き、紲?』
『……すずひめっ……』
『ぷっ、またその名前……』
なんだろう?
このジワジワと熱くなっていくような気持ち。