鈴姫

笑顔



放課後に近付くにつれて、俺は悩んでいた。


あんなことがあって、俺たちは見事両想いになった。

そう、両想いっていうのはわかってるんだ。

わかってるんだけど……。


俺は結局、大切な言葉を言い忘れてしまっていたんだ……。


「奏真どうしよう!?」

「あ?何が?」

「俺すっかり忘れてた!」

「だから何をだよ?」

「『付き合おう』って、言い忘れてた!!」


そう、俺たちは両想いだけど、付き合おうって言ってないから付き合ってるのか付き合ってないのかわからない!!


「……お前はどこまで行ってもバカで成長しないなバカ」


今、バカって、バカって二回言った!!
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