鈴姫
「あの時ね、気になってる人がいるって言ったの、紲の事」
「え……?あぁ、あれですか」
「試したの。紲を試す目的だけじゃなくてね、自分の気持ちも試すために。そしたら……本気になってた」
あの時には、すでに鈴姫の視界に入ってたのか……。
「紲」
「はい?」
「好き」
「俺も、好きです」
鈴姫はムッとした顔をしている。
なにかが気に食わないらしい。
「紲」
「なんですか?」
「あたしの右手ね、今寂しいの」
「……はい?」
「いつになったら、繋いでくれるの……?」
……もう俺、キュン死にしていいですか……?