雨
「有輝(ゆうき)ちゃん。
…榊さんは昔のあたしといっしょなんだよ。
ただ、怖いだけなの。
だからそんなに怒鳴らないで…。」
そう言って紺野は、有輝と呼んだやつを見てから、あたしの目を見つめた。
「大丈夫だよ。
あたし達は、あなたの事を傷つけたりしない。
だからちょっとだけあたし達の事を信じて。
すぐに友達なんて言わなくていいから、知り合いだと言って。」
紺野はあたしの手をそっと握って泣いた。
「お願いだから…、あたしの事を信じて。」