雨
カラカラ…。
伊藤は何も言わずに、2年C組と書かれた戸を開けた。
教壇の所まで行くと、か細い声でしゃべり始めた。
「みなさんおはようございます。」
教室にいる生徒は誰も聞いていない。
「今日はこのクラスに転校生が来ました。」
「あっそ。まぢ、どーでもいい。」
一番前に座っていた男子が
そこらへんにあった紙くずを
伊藤のほうに投げながら言った。
伊藤はそれに怯えながらも話し続けた。
「女の子です。榊さん。」
たるいと思いながらも教室に入った。
すると教室が今まで以上にざわめき始めた。