雨
そう言われると何も言い返すことができず、黙って腕を引かれた。
着いた場所は、杏と出会った屋上だった。
「お~い。鷲~。雨深ちゃん連れてきたよ~。」
杏が呼ぶと、鷲は前に杏がいた貯水タンクのところから顔を出した。
「杏、なんで名前知ってる?」
心なしか杏の方を睨んでる気がする…。
「だって僕、雨深ちゃんと知り合いだもん。ね~?」
ね~?って言われても・・・。
「・・・・・・。こっち来い。」
鷲はそう言ってまたかげに隠れてしまった。