君ニ花ヲ…
1時間ほど4人で話した。

と言っても、ほとんど勇太郎が話していたのだが…。


「んー、そろそろ帰るか。愛子、うちに来るやろ?」

勇太郎はうーんと伸びをしながら愛子に言った。


「そうだね」


「ソラ、美咲ちゃんをちゃんと家まで送れよ!!」


「はっ!?」


勇太郎の突然の発言にソラは思わず声を上げた。


「だってこんなに暗くなっちゃったのにかわいい美咲が一人で帰るの危ないでしょ?それにあんたんちと美咲の家わりと近いじゃん?」


ソラはギッと愛子をにらむ。


それを見た美咲はあわてて愛子の前に立ちあがった。


「あ、あたしなら大丈夫だから。ここから歩いてそんなに遠くないし、あたしちゃんと帰れるから。それに初対面のソラ君に送ってもらうなんて申し訳ないよ」


「美咲…」


愛子は美咲の肩を軽く撫でた。



「おい、ソラ。俺と愛子の邪魔するなよ!?」


美咲と愛子が見ていない間に勇太郎はソラの耳でぼそっと呟いた。


しかもどすの利いた声で。


ソラにぞっと寒気が走る。


「勇太郎、お前覚えとけよ!!」


ソラはそういうと美咲に向って一言口を開いた。


「狩野だっけ?送ってやるよ」


愛子と勇太郎はにやっと笑った。
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