君ニ花ヲ…


「お前、家どこ?」

「花岡です。というか、ホント送ってもらうなんて申し訳ないです。あたし、ひとりで帰れますから」

「いいよ。俺の家、川松だし。どうせ、花岡なら通り道だよ」

「ありがとうございます」


空はもう真っ暗で、たくさんの星が輝く。


空の東にある半月がふたりの道を照らしてくれているようだった。


二人の間にしばらくの沈黙が続く。



「ってか、狩野。お前、何で俺に敬語なの?」

ソラが突然口を開いた。


「あっ、そうだよね。あたしたち同い年なのに」


美咲は苦笑いした。


「まあ、べつにいいけど・・・。」


ソラの歩みに美咲はついていった。
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