君ニ花ヲ…

『数学難しい~』

『数列か。俺もあんま得意じゃないな』

『頑張らなきゃね』


いつも夜中の三時から六時まで二人は、メールをしながらお互いに励ましあって勉強をした。


ソラは学校では無口なほうで、男子たちのからかわれ役である。

それをいつもウザそうに切り返す。


切れ長の目とすっと通った鼻筋、そしてくしゃくしゃの無造作な黒髪が彼の魅力を引き立てる。


サッカー部ではエースということもあり、女子からは常に黄色い声が上がり、注目の的であった。


美咲も当然、ソラのことは知っていた。


クールな彼は美咲には苦手なタイプだった。

しかし、彼のことを知れば知るほど美咲の中でソラの印象が変わっていった。


そのことに美咲も気づき、だんだんとソラに惹かれていった。


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