君ニ花ヲ…

ピカッ―――――――――――――――――


空に稲妻が光ったかと思うと途端に雨が降り出した。


大雨で、すぐに校庭は水浸しになってしまった。


「これじゃ練習にならないな。今日はもう終わりだ。急いで戻れ」


監督は校舎へと戻って行った。



「雨は残念やけど練習早く終わったから愛子と早くデートできるし」


勇太郎は部室で着替えながらにやけていた。


「お前はあいかわらずだなぁ」


彼らのチームメイトの矢田が呆れていた。



「俺、この前彼女と別れたばっかだし」


「えっ!?茉莉ちゃんと別れはったん?」


「そうそう。こいつ、彼女の誕生日忘れちゃってて、愛想尽かされちゃったんだって」


キャプテンも横から話に入ってくる。


「先輩、もうばらさないで下さいよ」



矢田は先輩の肩をバシッと叩いた。


「それじゃ、俺帰るんで。お疲れ様でした」

ソラが部室のドアの前にいた。

  
「おお、ソラ。お疲れ。またな」


「ソラ、また明日」


先輩や友達に見送られソラは部室を出て行った。
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