君ニ花ヲ…
三人はご飯を食べ終わり、ソラは風呂に入り、美咲と楓はリビングのソファに座っていた。
「おば様、玄関のセージとてもきれいでした」
「あら、美咲ちゃん、セージを知ってるの?花に詳しいのね」
楓は少し驚いたようだった。
「はい。セージの花言葉は家族愛、幸福な家庭。この家にはぴったりの花ですね」
美咲は微笑んだ。
「ありがとう。あたしも昔から花が好きでね。最近は体がこうだからなかなかお庭の手入れもできなくて。でも、セージはちゃんと咲いてくれたのね」
「セージには健康という意味もあります。きっとおば様の体調もよくなりますよ」
「あら、美咲ちゃん口がうまいのね。こんなにお花の話ができる相手ができるなんてうれしいわ」
「あたしもうれしいです」
二人は向かい合って笑いあった。
ソラは風呂からあがり、リビングにもどろうとしたとき、二人の楽しげな声を聞いて足をとめた。
母さんがあんなに楽しそうに笑っている。
ソラは安堵の息をついた。