君ニ花ヲ…
打ちあがる花火
真っ青な空には大きな入道雲。
蝉の鳴き声がさらに暑さを煽るように感じる。
一学期も終わり、学生たちは夏休みを迎えていた。
美咲は自分の部屋のベッドに横になって通知表を見ていた。
「23番か…」
期末テストの順位を呟く。
こんなんじゃ全然足りない…。
美咲は成績を親に見せるのが苦痛でしょうがなかった。
「宿題しなきゃ…」
美咲は机に向かう。
山のようなプリントと問題集の数。
数学の問題集を取り出し、シャーペンを動かしはじめた。
「美咲、これ」
自分の部屋のドアが開いたかと思うと美波がジュースを持ってきてくれた。
「お姉ちゃん、また帰ってきてたんだ」
「まあね」
「成績下がっちゃった…」
美咲は下を俯いた。
美波はそんな美咲の肩に手をやった。
「あんたの気持、よくわかるよ。私も親のいいなりに頑張ってきたもんね。反発しようって何度も思ったこともあったけど、結局そんな勇気なかった。美咲、あんたもよく考えたほうがいいよ」
美波はそう言って、美咲の机にジュースを置き、部屋を出て行った。