君ニ花ヲ…
ソラと約束していた花火大会の日がやってきた。
空は真青な晴れ。
美咲は美波に頼んで浴衣を着せてもらった。
紺の浴衣にピンクの鮮やかな花が映える。
「似合うじゃない」
美波は美咲を上から下まで眺める。
「ホント?変じゃ…ない…よね?」
「大丈夫大丈夫。ほらもうすぐ待ち合わせの時間でしょ?」
「あ、ホントだ」
時計を眺めるとすでに待ち合わせ時間の30分前をきっていた。
「ほら、早く行きなよ!ソラ君によろしくね~」
美波は玄関でにやけながら手を振る。
「もう、お姉ちゃんったら。行ってきます」
美咲は下駄の音を鳴らしながら待ち合わせ場所へと向かった。