君ニ花ヲ…

ソラと約束していた花火大会の日がやってきた。


空は真青な晴れ。



美咲は美波に頼んで浴衣を着せてもらった。


紺の浴衣にピンクの鮮やかな花が映える。



「似合うじゃない」



美波は美咲を上から下まで眺める。



「ホント?変じゃ…ない…よね?」



「大丈夫大丈夫。ほらもうすぐ待ち合わせの時間でしょ?」




「あ、ホントだ」



時計を眺めるとすでに待ち合わせ時間の30分前をきっていた。




「ほら、早く行きなよ!ソラ君によろしくね~」



美波は玄関でにやけながら手を振る。



「もう、お姉ちゃんったら。行ってきます」



美咲は下駄の音を鳴らしながら待ち合わせ場所へと向かった。
< 36 / 38 >

この作品をシェア

pagetop