君ニ花ヲ…
「お疲れさまでした!」
部活の練習が終わり、部員達はそれぞれ帰宅の準備をする。
「勇ちゃん、帰ろう」
愛子はにこっと笑って勇太郎の腕をつかんだ。
「ああ」
勇太郎は床のエナメルバッグを肩にかけた。
「そんなら、またな」
「おー」
仲間たちにあいさつをして二人は部室を出た。
「またソラのやつ、彼女と別れはった」
「え!?まだ二ヶ月も経ってないし」
「そうやなあ」
愛子と勇太郎は暗くなった道を二人で歩く。
空にはいくつかの星があり、二人の帰路を照らしてくれていた。
「うちらなんてもう四年付き合ってるよね!中学からだし」
「まあ俺には愛子以外は考えられへんしな」
勇太郎は愛子におどけて笑ってみせる。
「もう、バカ!」
愛子も照れながらも勇太郎の腕をぎゅっと握った。