君ニ花ヲ…


「お疲れさまでした!」


部活の練習が終わり、部員達はそれぞれ帰宅の準備をする。



「勇ちゃん、帰ろう」

愛子はにこっと笑って勇太郎の腕をつかんだ。


「ああ」


勇太郎は床のエナメルバッグを肩にかけた。


「そんなら、またな」


「おー」


仲間たちにあいさつをして二人は部室を出た。




「またソラのやつ、彼女と別れはった」


「え!?まだ二ヶ月も経ってないし」


「そうやなあ」


愛子と勇太郎は暗くなった道を二人で歩く。


空にはいくつかの星があり、二人の帰路を照らしてくれていた。


「うちらなんてもう四年付き合ってるよね!中学からだし」


「まあ俺には愛子以外は考えられへんしな」


勇太郎は愛子におどけて笑ってみせる。


「もう、バカ!」

愛子も照れながらも勇太郎の腕をぎゅっと握った。


< 4 / 38 >

この作品をシェア

pagetop