エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
翌日、私はリサイクル業者を呼び、二束三文の安い料金で家具やら電化製品に洋服類までを売り払った。
持っていく荷物はボストンバック一つとキャリーバックに詰めた衣類だけ。
後はすべてゴミとして処分して、その処分代が高くついた。
「今すぐに!」
と焦っている私はリサイクル業者のカッコウのカモになっているのだろう。
部屋の中がまさしくモヌケの空状態になるとアパートの大家に部屋の鍵を返した。
モチロン急な転居だし退去時の掃除もしていないから敷金の返金はいらないと言う私を大家は喜んで見送った。
そして病院には一報入れた。
「突然で申し訳ないですが辞めさせて下さい」
と。
そして私は今までのケータイを解約し、他社の新しいケータイを持つと、この街を出る事にした。
これから中条氏の想い人を探す旅に出る。
何の手がかりもないが、私にはそれが“使命”の様な気がしたから。
吉永、アンタには背中を押してもらって感謝してるよ。
絶対にアンタとだけは手を組むなんてイヤだから…。
もし私を探すなら洗い浚い警察にしゃべってやるから…。
それこそ私は挑戦状は出さないが、駅に向かう雑踏の中でそう宣言していた。
持っていく荷物はボストンバック一つとキャリーバックに詰めた衣類だけ。
後はすべてゴミとして処分して、その処分代が高くついた。
「今すぐに!」
と焦っている私はリサイクル業者のカッコウのカモになっているのだろう。
部屋の中がまさしくモヌケの空状態になるとアパートの大家に部屋の鍵を返した。
モチロン急な転居だし退去時の掃除もしていないから敷金の返金はいらないと言う私を大家は喜んで見送った。
そして病院には一報入れた。
「突然で申し訳ないですが辞めさせて下さい」
と。
そして私は今までのケータイを解約し、他社の新しいケータイを持つと、この街を出る事にした。
これから中条氏の想い人を探す旅に出る。
何の手がかりもないが、私にはそれが“使命”の様な気がしたから。
吉永、アンタには背中を押してもらって感謝してるよ。
絶対にアンタとだけは手を組むなんてイヤだから…。
もし私を探すなら洗い浚い警察にしゃべってやるから…。
それこそ私は挑戦状は出さないが、駅に向かう雑踏の中でそう宣言していた。