エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
俺は酒が入って冗舌になり弥生に色々と聞いてみた。

「どうしてあの屋敷に息子と二人で監禁されてたのか。」

とか

「なら本当の亭主は今なにしてる?」

とか 弥生は嫌がる事なく一つずつ丁寧に話してくれた。

そして俺の怒りの矛先はそのギャンブル三昧で中条に弥生を売った亭主に向いた。

「なんでそんな男と一緒になったんだ?」

「なんででしょう……。多分そんな男だから一緒になったんんでしょうね。」

確かに弥生ならそうかもしれない。

物事を損得で考えずに困った人に愛の手を差し伸べるまるで……テレサ‥テン!?違う。 マザーなんとかじゃないし、ほら!誰だっけ? 名前が出てこないと思いながら、いつのまにか俺はそのまま眠ってしまったらしい。

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