エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
俺は一体どのくらい眠っていたのだろう。

目を開けると車内に弥生の姿がない!

まさか逃げたのでは…!!

俺は慌てて車外に出たが弥生はすぐ近くにいた。

満月の月光に照らされて月に祈る姿は神々しく、まるで『聖母マリア』のようた。

そう先程思い出せなかった聖母マリアが今、俺の目の前にいる。

「息子たちの事祈っているのか?」

弥生が少し驚いて

「……ハイ。」

と言った。

「なら俺も懺悔したいんだ。俺の話しを聞いてくれないか?」

「私でよければ話してください。」

俺は弥生に、過去の傷を開いてみせようと思った。


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