エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
しかし中学になると俺もだいぶん考えも変わってくる。
正直、道化を演じる事にも疲れていたし、親たちは兄達の受験や進路に夢中になって益々、俺の事はほったらかしになった。
それが罪滅ぼしと言わんばかりに物や小遣いはたっぷり与えられたけど、俺の心は益々冷えていく。
友達もいなかったなー。
俺の豊かな財布目当てに寄ってくる奴らだけでワルさやってバカやって過ごしたよ。
でもそんな時に出会ったのがダンスをやっていた中尾さんという2コ上のセンパイで、高校のダンス部をひっぱっていた人だ。
最初にその中尾さんのダンスを見た時の興奮は今も忘れない。
HIPHOPの曲に合わせて踊る中尾さんのブレイキングは完璧で、ヘッドスピンとか一つ一つのワザはモチロン、表情、スピード、体のキレが群を抜いていて俺は夢中なった。
その中尾さんが俺をダンスに誘ってくれて俺は初めて“生きがい”を見出だしたのに……。
でも親からすれば、バカやってる俺もダンスに夢中になってる俺も同じだったらしくて、長男が大学病院でインターンなのに、教授に見込まれて、その娘との縁談が持ち上がるとはみ出し者の俺が邪魔になった……。
正直、道化を演じる事にも疲れていたし、親たちは兄達の受験や進路に夢中になって益々、俺の事はほったらかしになった。
それが罪滅ぼしと言わんばかりに物や小遣いはたっぷり与えられたけど、俺の心は益々冷えていく。
友達もいなかったなー。
俺の豊かな財布目当てに寄ってくる奴らだけでワルさやってバカやって過ごしたよ。
でもそんな時に出会ったのがダンスをやっていた中尾さんという2コ上のセンパイで、高校のダンス部をひっぱっていた人だ。
最初にその中尾さんのダンスを見た時の興奮は今も忘れない。
HIPHOPの曲に合わせて踊る中尾さんのブレイキングは完璧で、ヘッドスピンとか一つ一つのワザはモチロン、表情、スピード、体のキレが群を抜いていて俺は夢中なった。
その中尾さんが俺をダンスに誘ってくれて俺は初めて“生きがい”を見出だしたのに……。
でも親からすれば、バカやってる俺もダンスに夢中になってる俺も同じだったらしくて、長男が大学病院でインターンなのに、教授に見込まれて、その娘との縁談が持ち上がるとはみ出し者の俺が邪魔になった……。