エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
しかし、あまりにも無防備な勇は私の

「今までどこで暮らしていた?」

の問いに

「う〜ん。中条ってせいじかの家。」

と素直に答えて見せるが、私だって政治家の中条なら分かる。

そしてその暮らしぶりからするとかなり訳ありの匂いがする。

私は勇に

「この事は誰にも言ってはいけないからね!」

とキツく口止めした。

こういうスキャンダルネタを金にしようとするヤツがココにいないとも限らないからだ。

「うん。わかった。ぜったい誰にも言わないよ。」



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