エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
台風に備えて昨夜から雨戸を閉めている谷川家にも同じ様に朝はやってきた。

望もとっくに目を覚ましているのだが、昨夜は今日の事を考えてなかなか寝付けなかった。

モチロン台風も心配だが、今日またあの女性と会う事になっている。

―うまく行くだろうか…。こんな台風の日でもアイツらは見張りを止める事はないんだろうな。

望はそう考えても埒が開かないと、取り敢えず日の差さない暗い部屋の明かりを付けた。


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