エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
二人はエアロバイクにまたがりモニターを耳たぶに挟み込むと一心不乱に漕ぎだした。
―やはり無心になりたい時はこれに限る!
心搏数がだいぶん上がってきて脳内の酸素は薄くなってきたが、火菜はいきなり閃いた。
「あーっ!!」
それに命が驚いて一旦足を止めて
「何?ビックリしたぁ〜。」
火菜は言い掛けた言葉を寸でのとこで止めて
「あ!心搏数の最高記録が出た!!」
と誤魔化した。
本当は今朝はまだ勇に一度も電話を掛けていない事に気付いたのだが、今、命に余計な心配を掛けたくないと後で掛ける事にした火菜だった。
命はいつもなら火菜のヘタクソな嘘は全部見抜くのに、今は緊張の為にそれが見抜けなかった。
台風の接近に伴い少しずつ何かが違っていった。
―やはり無心になりたい時はこれに限る!
心搏数がだいぶん上がってきて脳内の酸素は薄くなってきたが、火菜はいきなり閃いた。
「あーっ!!」
それに命が驚いて一旦足を止めて
「何?ビックリしたぁ〜。」
火菜は言い掛けた言葉を寸でのとこで止めて
「あ!心搏数の最高記録が出た!!」
と誤魔化した。
本当は今朝はまだ勇に一度も電話を掛けていない事に気付いたのだが、今、命に余計な心配を掛けたくないと後で掛ける事にした火菜だった。
命はいつもなら火菜のヘタクソな嘘は全部見抜くのに、今は緊張の為にそれが見抜けなかった。
台風の接近に伴い少しずつ何かが違っていった。