エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
それはいわば火菜たちの“自由へのパスポート”に思えた。
あの青いペンダントさえ差し出せば自由を与えるというものだ。
そこにはご丁寧に大輔の実印の他に血判まで押してあって中条家の決意の程は見てとれる。
しかし、そんなにあっさりと引き下がるものなのか!?悪魔の様なこの冷たい女たちが……。
「信じられない。これが本物だとどうやって解れと言うの!? だってアナタは火菜たちを売り渡そうとまでしたんじゃないのォ〜!!!」
望は声を張り上げる事で怒りを表した。
しかしそんな事で怯む美佐子ではないので
「そうよ。やはり生まれてきた瞬間に楽にしてれば、今になって苦しむ事はなかったのよ。」
「やっぱりアナタって女は変わらない。こんな女に育てられてる弘輔が可愛そうだわ。」
尚も怒りがおさまらない望に美佐子も反撃をしたい衝動に駆られたが、そこは
「美佐子さま。落ち着いて下さい」
と黒沢が嗜めた。
「フーッ」
美佐子は大げさにため息をつくと
「そうね。ここで言い合っていても始まらないわね。いい?望さん。これはアナタに取っても悪い取引きじゃないわ。だって、アナタの実の子たちはアナタがうちで代理母をした事を知ってるのかしら?」
美佐子は望の一番の恥部を付いてきた。
あの青いペンダントさえ差し出せば自由を与えるというものだ。
そこにはご丁寧に大輔の実印の他に血判まで押してあって中条家の決意の程は見てとれる。
しかし、そんなにあっさりと引き下がるものなのか!?悪魔の様なこの冷たい女たちが……。
「信じられない。これが本物だとどうやって解れと言うの!? だってアナタは火菜たちを売り渡そうとまでしたんじゃないのォ〜!!!」
望は声を張り上げる事で怒りを表した。
しかしそんな事で怯む美佐子ではないので
「そうよ。やはり生まれてきた瞬間に楽にしてれば、今になって苦しむ事はなかったのよ。」
「やっぱりアナタって女は変わらない。こんな女に育てられてる弘輔が可愛そうだわ。」
尚も怒りがおさまらない望に美佐子も反撃をしたい衝動に駆られたが、そこは
「美佐子さま。落ち着いて下さい」
と黒沢が嗜めた。
「フーッ」
美佐子は大げさにため息をつくと
「そうね。ここで言い合っていても始まらないわね。いい?望さん。これはアナタに取っても悪い取引きじゃないわ。だって、アナタの実の子たちはアナタがうちで代理母をした事を知ってるのかしら?」
美佐子は望の一番の恥部を付いてきた。