エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
そうかぁ…。

もう見張りがないと油断して、夫とケータイで会話してしまった。

もし、それが盗聴されていたなら……と思うが向うも弥生や火菜と私が通じているのは百も承知のハズ。

だから私が橋渡しするのだから。

でもしかし、美佐子という女は絶対に侮れない。

とにかく火菜の安全だけは確保せねばならない。

やはり約束の時間より少し早めに行って外で火菜に連絡するしかないな…。

望はまず弥生とのやりとりを夫にケータイのメールで報告する事にした。

―多分、今頃あの人は気を揉んで食事も食べられないハズだ。


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