エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
加速する
《12:00〜15:00》
「おーい!大丈夫か!? もうすぐ救助に来るぞ〜!」
「動くな頑張れ〜!!」
誰かが大声で叫ぶ声に勇はやっとで目を覚ました。
(ここはどこ?川の中?)
丁度サムも目を覚まし、自分達の置かれている状況にやっと気付いた。
「勇、ゆっくり手を離すぞ。そしたら両手で枝を掴むんだ。」
「分かったよ サムさん」
二人はしっかりと繋いだ手と手を解くと目の前の大木の枝を掴んだ。
どうやら川が氾濫して家ごと流された時に、とっさに繋いだ手と手が離れずに運良く大木に引っ掛かってくれたらしい。
とりあえず流されずには済んだが、今尚、雨は降り続いていて水嵩は増すばかりだ。
この足場はあくまで仮の避難場所の様なものだ。
でも幸い、誰かが発見してくれたのだろう“救助”に来てくれるらしい。
間に合うだろうか……。
川はものすごい勢いで流れどんどんと膨らんでいく。
「勇。助けにきてくれるからな。それまで手を離すんじゃないぞ。」
「うん。サムさんもがんばってね。」
二人は生と死の境い目で
助けて下さい。
と、ただ祈るしかなかった。
「おーい!大丈夫か!? もうすぐ救助に来るぞ〜!」
「動くな頑張れ〜!!」
誰かが大声で叫ぶ声に勇はやっとで目を覚ました。
(ここはどこ?川の中?)
丁度サムも目を覚まし、自分達の置かれている状況にやっと気付いた。
「勇、ゆっくり手を離すぞ。そしたら両手で枝を掴むんだ。」
「分かったよ サムさん」
二人はしっかりと繋いだ手と手を解くと目の前の大木の枝を掴んだ。
どうやら川が氾濫して家ごと流された時に、とっさに繋いだ手と手が離れずに運良く大木に引っ掛かってくれたらしい。
とりあえず流されずには済んだが、今尚、雨は降り続いていて水嵩は増すばかりだ。
この足場はあくまで仮の避難場所の様なものだ。
でも幸い、誰かが発見してくれたのだろう“救助”に来てくれるらしい。
間に合うだろうか……。
川はものすごい勢いで流れどんどんと膨らんでいく。
「勇。助けにきてくれるからな。それまで手を離すんじゃないぞ。」
「うん。サムさんもがんばってね。」
二人は生と死の境い目で
助けて下さい。
と、ただ祈るしかなかった。