エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「オーイ!大丈夫か!?」
川の中洲の大木に必死に掴まっている勇とサムを助ける為にレスキューのヘリが来ていた。
しかし、雨風は強まる一方なので川岸付近で一旦待機して救助方法が話し合われていた。
しかしもう一刻の猶予もない。
今すぐ助けなくては…。
この強風では縄梯子は無意味だった。
そこで特殊レスキュー部隊の隊長の西田が命綱をつけて一人ずつを素手で捕まえて陸に下ろす作戦しかないという結論になった。
ただちに作戦遂行の下知がおりた。
―まずは、子供が先だ!
誰もがそう思い、その光景を固唾を飲んで見守っていた。
隊長の西田の体は、台風に遊ばれているかのように、右に左に前に後ろへと揺さ振られたがやっとで大木の枝を掴んだ。
「オーッ!」
川岸でこれを見守っていた人々の安堵のため息が漏れた。
「さあ、まずは君からだ。しっかり私の体を捕まえるんだ。」
西田の必死の呼び掛けに
「ぼくは まだ だいじょうぶ。さきにサムさんを おねがいします。」
勇は首を横に振りハッキリとそう言った。
川の中洲の大木に必死に掴まっている勇とサムを助ける為にレスキューのヘリが来ていた。
しかし、雨風は強まる一方なので川岸付近で一旦待機して救助方法が話し合われていた。
しかしもう一刻の猶予もない。
今すぐ助けなくては…。
この強風では縄梯子は無意味だった。
そこで特殊レスキュー部隊の隊長の西田が命綱をつけて一人ずつを素手で捕まえて陸に下ろす作戦しかないという結論になった。
ただちに作戦遂行の下知がおりた。
―まずは、子供が先だ!
誰もがそう思い、その光景を固唾を飲んで見守っていた。
隊長の西田の体は、台風に遊ばれているかのように、右に左に前に後ろへと揺さ振られたがやっとで大木の枝を掴んだ。
「オーッ!」
川岸でこれを見守っていた人々の安堵のため息が漏れた。
「さあ、まずは君からだ。しっかり私の体を捕まえるんだ。」
西田の必死の呼び掛けに
「ぼくは まだ だいじょうぶ。さきにサムさんを おねがいします。」
勇は首を横に振りハッキリとそう言った。