エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
この後、亜梨砂を中心に未来さんのイジメが始まり、日々エスカレートしていくが、敢えてその内容には触れないようにする。

どうして私が未来さんの代わりに生きようとしているかはもう充分伝わったと思うから…。

最初、未来さんの両親の話しを聞いた時に私はまた“金持ちのエゴ”だと思った。

だって、イジメにあって自殺した娘の死が哀れだからといって、その遺体を自宅の庭に埋葬してしまうなんて正直、信じられなかったからだ。

でも今は、私が未来さんの分まで生きていけたらと強く思う。

到底、看護士になるのは無理だけど、このフリースクールでまずやりたい事をみつけたいと思うのだった。

未来さんの遺書には、

『イジメに負けて先立つ不幸をお許し下さい。………………。』

と両親に向けて書かれたものの他に、いくつかの“詩”も綴られていて、その中でもまるでそれが私に向けて書かれたメッセージの様なものがあった。

それらの詩は詩集として“私の生きていく為のバイブル”にする事にした。

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