エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「ここが噂の……なのね。どれが例の奴なの?」

「ええ〜と。あっ!アイツです。一番奥でカードを食い入るようにみつめているあの男ですよ。」

―確かに黒沢の言うように、その男の目は完全にイッテしまっていてる。

元はそれなりに女泣かせの色男だったのかもしれないが、今はまさに取り憑かれているようだ。

………ジャンキー!?

確かにあの様子なら善悪の区別も付かず安い鉄砲玉には正に打ってつけ。

いや、あの男を飼うのにかなりの大枚をはたいている。

だから私たちの余興の為に最後に舞ってもらわなけれは゛……。

「合格よ。さあ行きましょう。」
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