エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「はぁ 私、先程のサムというものですが、勇は今、検査を受けておりますので……。」
「ああ 良かったサムさんですね。今どちらの病院ですか?」
源が念のためにまずそれを確かめると
「はい。都内の○○病院です。実は保険証が必要でして…。」
―嗚呼なんて事だ!中条家の息のかかった病院じゃないか。清彦の亡くなった病院だ。ヤバいな迂闊に勇が中条家の事を話したらすぐに連絡がいって大変な事になる!!
「それがですね…。大変失礼ですがアナタは今まで勇を保護していて下さったのですよね!?色々と複雑な事情がありまして…。おまけに勇はいい子ですが脳の発育に問題があります。」
「判ってます。公園のベンチで途方に暮れていたアイツを拾ってから、今までずーっと一緒にいたのですから…。何やらそれまで勇は政治家の家に居たと話してくれましたが口外してはいけないと口止めはしておきました。約束は必ず守る子ですからね。」
「有難う御座います。その通りです。とてもいいヤツなんですよ。しかし助けてもらったのに申しにくいのですが、その病院は中条家の息のかかったとこです。勇の体も心配ですが、保険証もありません。なぜなら戸籍がないんです。だからこの世に存在しないんですよ。」
「………存在しない…?」
サムは拳銃で頭をいきなり撃ち抜かれた様な衝撃が走っていた。
「ああ 良かったサムさんですね。今どちらの病院ですか?」
源が念のためにまずそれを確かめると
「はい。都内の○○病院です。実は保険証が必要でして…。」
―嗚呼なんて事だ!中条家の息のかかった病院じゃないか。清彦の亡くなった病院だ。ヤバいな迂闊に勇が中条家の事を話したらすぐに連絡がいって大変な事になる!!
「それがですね…。大変失礼ですがアナタは今まで勇を保護していて下さったのですよね!?色々と複雑な事情がありまして…。おまけに勇はいい子ですが脳の発育に問題があります。」
「判ってます。公園のベンチで途方に暮れていたアイツを拾ってから、今までずーっと一緒にいたのですから…。何やらそれまで勇は政治家の家に居たと話してくれましたが口外してはいけないと口止めはしておきました。約束は必ず守る子ですからね。」
「有難う御座います。その通りです。とてもいいヤツなんですよ。しかし助けてもらったのに申しにくいのですが、その病院は中条家の息のかかったとこです。勇の体も心配ですが、保険証もありません。なぜなら戸籍がないんです。だからこの世に存在しないんですよ。」
「………存在しない…?」
サムは拳銃で頭をいきなり撃ち抜かれた様な衝撃が走っていた。