エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「まあー今すぐどこかに行くのはまず無理みたいですよ。首都圏の交通網は遮断してます。さっき病院のニュースで見ました。」

「そうですか。それは困ったな。行き先は勇の妹の家の方で一時的に預かってもらおうと思うのですがこれから連絡しますが多分大丈夫でしょう。」

「それなら病院を出て、台風が通り過ぎるのを待ってそちらへ向かったがいいですね。」

「そうですね。でも待機する場所はありますか?」

「それはやはり近くの避難場所に身を潜めましょうか?」

「ああ!それは名案ですね。それじゃあ早速お願いします。私も連絡を取ってみます。そして飛行機が飛ぶようになったら私も日本に帰りますから。」

源は今、ハッキリと覚悟した。

そうだ日本に帰ろう!

勇と火菜のとこに帰ろう。

「今どちらなんですか?」

「シンガポールにいます。」
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