エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「ひな、いえ未来、元気にしてた?」

それは久しぶりに聞く未来の母の声だった。

「ハイ。元気ですけど…。」

「でも、何かあったんでしょう?ケータイが繋がらないから…。実は今、源さんから連絡があったの。」

「えっ おっちゃんから!?」

「そう。アナタのケータイが繋がらない事、心配していらしたわ。それとこれは朗報よ! 勇君がみつかったらしいの。ケータイに掛かってきたらしいんだけどね。」

これには火菜が死ぬ程驚いた。

「えーっ! えーっ!!勇から連絡あったんですか!?」

「そう。アナタのケータイが繋がらないから源さんに掛けたのね。でも本当に無事で良かったわね。」

「良かったぁ。本当に良かった…。」

しかし、そう思う反面、勇に命と結婚する事をどう話そうかと新たな悩みが不意に湧いた。

(おかしいぞ 火菜。勇がみつかってうれしくないのか!?)
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