エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「ああ、良かった。いらしたんですね。しつこく鳴らしてすいません。私、児島と申すものです。」

「はあ…。」

望はまだ呼吸が整わないのと、思考回路がうまく働かないのとで、ため息のような返事をした。

すると、未来の母が

「火菜ちゃんのお母さんですね?今、話して大丈夫ですか?」

と聞いてきたので、望の意識はハッキリとした。

「ああ ハイ。大丈夫です。話せますからお願いします。」

「すみませんが、あまり時間がないので、すぐ用件に入ります。火菜ちゃんには今、私の娘として、フリースクールに行ってもらってます。しかし、ちょっと問題が起きてケータイが壊れてしまったようです。」

「まあーそうですか。それは大変お世話になっています。問題とは何でしょう?それでケータイが繋がらないんですね。」

「そのようです。先程、火菜ちゃんと話したら、お母さんが心配しているだろうから、自分は電話が出来ないので、私の方から連絡をするようにと。」

「そうですか。重ね重ねありがとうございます。」

「いいえ、お気になさらずに……。では、本題に入りますと…。」
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