エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
中は二段ベッドが左右の壁についている状態で、8床分あった。

一つ一つにカーテンがついていて、今は全部のカーテンが開かれていた。

「こりゃ、いいぞ。」

サムと勇はそれぞれ左右の一階のベッドに入り休む事にした。

すると、サムの入ったベッドの枕元にケータイのアダプターが無造作に置かれていた。

―ここで休んでいた医師の忘れ物だろう…。

と試しに勇のケータイを繋いでみた。

すると幸運な事に充電中の赤ランプが点いた。

「よし!いいぞ。これで充電出来る。勇!…勇?」

サムは隣りのベッドに入った勇の返事がないので覗いてみた。

「もう、寝ちまったかぁ。」

そこにはスヤスヤと寝息を立てて眠る天使の顔があった。
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