エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
今度こそは車内の雰囲気が和んだかに思われた。
もちろんこれで、梓が野田を許したわけじゃない事はみんな判っていたが、すくなくとも復讐心だけは抑えてくれた。
野田は自分が死ぬ前に、梓の気持ちが少しだけ氷解した事にうれしくなっていた。
―まだまだこれからだ。
許されるとは思わないが、もう少し梓と向き合いたい。組織に消される前に……。
そ、し、き……?
突然、嫌な予感が降ってわいた。
その時、運転席のドアが外から開けられた!
と思った途端に3人の男たちが野田を掴んで車外に引きずりだして、いつの間にか横付けされた白いワゴン車に押し込んで、走り去っていった。
正に一瞬の隙を付いたプロの手口。
残された3人の女性たちはなすすべもなく呆然とするしかなかった。
…………………………………
もちろんこれで、梓が野田を許したわけじゃない事はみんな判っていたが、すくなくとも復讐心だけは抑えてくれた。
野田は自分が死ぬ前に、梓の気持ちが少しだけ氷解した事にうれしくなっていた。
―まだまだこれからだ。
許されるとは思わないが、もう少し梓と向き合いたい。組織に消される前に……。
そ、し、き……?
突然、嫌な予感が降ってわいた。
その時、運転席のドアが外から開けられた!
と思った途端に3人の男たちが野田を掴んで車外に引きずりだして、いつの間にか横付けされた白いワゴン車に押し込んで、走り去っていった。
正に一瞬の隙を付いたプロの手口。
残された3人の女性たちはなすすべもなく呆然とするしかなかった。
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