エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》

「判りました。それじゃあ台風が修まり次第、そちらに参りますから。」

望はそう言うと、電話を切った。

その話を聞いていた弥生も既に母の顔に戻っていた。

「望さん、私も一緒に行くわ。」

「でも、野田さんはいいの……?」

「心配だけど、今はみんなで力を合わせてペンダントを取り返さなきゃ。」

「そうね。まずはそれをやりましょう。そしたら火菜も勇も帰ってくる。やっと会えるのよ弥生さん。」

「そうよ。あの子たちのこれからの安全を確保してやるのが、母親の役目よ。三人の母親が力を合わせたら絶対に上手く行く。それが野田さんの望みでもあるのだから…。」


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