エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》

「おまたせ!ていうか早かっただろ?」

森に連れられて、次男の光が談話室に入って来た。

「ああ、随分早かったじゃないか?」

命の父が言うと

ニヤけながら、光が

「俺もね〜今夜デートの約束あって忙しいんです。だから、強風の中、飛ばして来たよ。」

と言うので、

「何!? 俺の車は無事だろうな!」

命の父は愛車の様子をすぐさま見に行った。

「やれやれ、自分だって私が止めなければ、あの強風の最中に車で来るつもりだったのにね。呆れたわ。」

命の母が言うと、

「普通、息子の心配をするもんだぜ!なあ!ミクさん。それと久しぶりだな…命。なんかまた身長伸びたんじゃねえ?」

光が命と火菜の元へと近付いていった。


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