エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
児島の母は戸締まりをしてポストに手紙を入れて置いた。
「二人には離れに居てもらいます。うちの鍵を持っていないので、離れなら開けておいても大丈夫ですから。それに一旦、中から施錠すれば、警備のスイッチが入りますので安心です。」
そう言うと今度はガレージの扉を開けた。
「出しますから、ちょっとお待ち下さい。」
児島の母がガレージへと入って行った。
「本当にいいの?弥生さん残らなくて……。」
「いいの。まずは愛する二人の再会を邪魔しちゃいけないわ。」
「愛する二人……?」
望は狐に摘まれたようにポカンとした。
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