エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「サムさん うそだ。どっか公園でねるんだ。」
カンのいい勇にはすぐ判ったが、サムが耳打ちした。
「あんまり俺に恥かかすなや。」
そして、火菜に向かって
「火菜さん。私は大丈夫ですから。明日、早朝、源さんに会いにまた来ますから…。」
と言った。
どうしても源に会っておきたかった。
この天使のような二人を助けだしてくれた功労者だ。
「じゃあな。また明日な勇」
勇はまだ拗ねていたが、
「じゃあ ぜったい 明日だよ まってるからね」
サムはいつまでも自分を見送ってくれる二人を何度も振り向き確認しながら、心で
「コイツらに何かあったら、俺は絶対許さない。もし、その時は犯罪だってなんだって犯しても救ってみせるぞ!!」
と叫んでいた。
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