エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》

「いただきまーす」

勇と火菜は久しぶりに二人揃って食事をする事が出来た。

戸締まりもちゃんとした。

お風呂には食事をしてからと勇が言うので、あらかじめお湯だけは張っておいた。

「火菜、おいしいね。」

勇はよほど空腹だったのか、まさにガツガツといった様子で平らげていく。

「勇、毎日、何を食べてたの?」

火菜は別れてから今までの勇の暮らしを知りたくなって、まずは食事の事を質問した。

「うーん。お弁当というスゴいものだよ。いろいろ入っていて とてもおいしかったよ」

確かに勇はやつれる事なく元気にしている所をみると、毎日、食べる事には苦労しなかったみたいだ。

それは、サムさんに感謝しなくてはならない。


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