エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「もしもし、勇?」
弥生の声を確認すると、火菜も勇に
「勇、お母さんだよ。」
と言って子器を手渡した。
「もしもし、お母さん ぶじだったんだね よかったよ また みんなにあえてうれしいよ ぼくも がんばったんだよ」
「そうだね勇。勇はお母さんを助けてくれたんだよね。だからお母さん、頑張れたんだよ。ありがとう勇。 お母さんたちが帰るまで、ちゃんとカギを締めて火菜ちゃんと一緒に居てね。」
「わかってるよ。火菜もぼくが まもるんだから……」
「そうだよね。じゃあ頼んだわよ。」
電話を切ると、三人の母たちはまた力が湧いていた。
今夜中にどうしても、アリサを見つけ出して、ペンダントを取り戻す。
可能性は低いが、手掛かりがまったくないので、まずはアリサの家に行って母親と話す事にした三人の母たちだった。
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