エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》

「火菜!火菜!」

焦る命に

「……ゴメン ミコ。なんかねきゅうに眠たくなってきた。」

呂律の回らない火菜に命は……寝ぼけている!? そう解釈した。

「判った。今日は色々あったから、ホッとして疲れが出たんだろ。」

「……うん。ごめんね。」

「じゃあ明日は早めにそっちに行くからな……火菜……愛してるよ。」

「私も。あいしてるミコ。じゃあね。」

火菜の発したあいしてるの言葉に、背中に突きたっていた刃が一層深く差し込まれた。

「どうして………勇。」


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