エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》

3人の母たちがアリサにたどり着いたのは“魔の刻”で、もう午前4時に近かった。

結局アリサは彼氏のアパートに居た。

彼氏は年の頃は24〜5歳で頭の悪そうな印象しかない冴えない男だった。

3人の母たちの捨て身の襲来に恐れをなしてアリサを差し出した。

さすがにアリサも彼氏のそんな態度に腹を立てて開き直った。

「んで 一体オバサンたち何の用?」

「あの子から奪ったペンダントを返して!!」

未来の母が詰め寄った。

「ぁあ!あれ!? 捨てたよ。」

望と弥生が天を仰いだ。

(万事休す。あーもうダメだ)

しかし、未来の母だけは信じなかった。

「嘘おっしゃい!!」

アリサをキツく恫喝した。


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