エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》

「嘘だ。じゃあ何故、葬式もやらないんだよ。」

アリサは尚もそれを認めない。

「分かった。未来があんな死に方して、あまりにも可哀想で、私たちがひっそりと庭に埋葬したの。信じないなら、今から掘り起こしてあげるから一緒に来なさい。」

未来の母がアリサの腕を取ると家から引っ張り出そうとした。

混乱したアリサは、

「分かったよ。分かったから、オバサン離してよ。」

アリサがワナワナと崩れ落ちた。

「どうして…死ぬなんて……つか、未来がチクったんじゃねぇーの?」

「そうよ。だから、未来に謝ってちょうだい。」

「わかったよ。謝ります。すいませんでした。ペンダントも返しますから……。」



無事、青いペンダントを取り返した3人の母は帰路を急いだ。

もう東の空が白みかかっていた。

「もう、朝よ。」

長い長い夜が明けようとしていた。


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