エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》

「まあー!源さん良かったですね。」

女性陣もソファーを取り囲み、しばし話しが続いた。

「それじゃあ、まだ野田さんの消息は判らないのね。」

望が弥生に聞いた。

「ええ、でもあの人の事だから、生き延びていてどこかで暮らしていると思います。梓さんも地元の島に戻ってナースをしながら野田さんの帰りを待っているんですって!」

「それは良かった。」

皆が頷いた。




「また来年の今日良かったら皆さん来て下さい。」

帰り際、未来の母の誘いに

「そうよね。一年に一度くらいみんなで思い出してやらなきゃね。」

望が賛同すると皆も頷いて、偲ぶ会はお開きになった。


…………………………………
< 359 / 363 >

この作品をシェア

pagetop