エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
皆それぞれに別れて行ったが、源と弥生が同じ方角で途中まで話しながら歩いていた。
「弥生さんは、今、ご実家に戻られてるんですよね。」
「はい。なんとか両親とも和解しましたので、弟夫婦も同居してるので完全な居候ですが、弟の嫁がとてもいい子なんで居やすいんですよ。」
「それなら良かった。」
「甥っ子と姪っ子が小学生で、やんちゃ盛りで賑やかですよ。思わず、勇と火菜ちゃんを思い出しますけどね。」
「そうですかぁ。」
すると源のケータイが鳴りだした。
♪♪♪〜♪♪♪〜
「あっ!それじゃあ失礼しますね。」
ちょうど道も別れたので源が、じゃあ!と手を挙げた。
弥生も頭を下げると別の道に向かって歩きだそうとして、なんとなく源の後ろ姿を眺めていた。
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