エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
清彦の葬儀を終えて多少の安堵感を覚えたのも束の間。
なんとあの計画が失敗に終わり、火菜、勇、弥生の三人はそれぞれこの屋敷から逃げ出した。
このままだと三人が世間に出れば監禁の生き証人にもなりえる。
その上、清彦の残した告発のペンダントまでが回収に失敗したと聞いた時は胸が苦しくなって息が止まりそうになった。
なんとしてもアレだけは取り返さなくては……。
そう思う反面、体は鉛の様に重く、朝からベットから起きだせずにいると孫の弘輔がやって来た。
「おじいちゃん…大丈夫?」
可愛そうに父を亡くして心細いのだろう。
今にも泣きだしそうな顔をしている。
「弘輔 ありがとう。おじいちゃんは元気だよ。色んな事があったから疲れただけさ。でもお前の顔を見たら元気が出てきたよ!」
大輔はそう言うと本当に元気が出たような気がした。
すると弘輔もうれしそうに微笑んで、束の間の孫との癒しの時間を楽しもうとした矢先に家政婦の里子が大慌てで走りこんで来た。
「旦那さま 大変です!これが今届きました。」
里子の差し出した手紙の宛名は『中条 大輔』。
そして手書きで書かれたソレはなんとなく見慣れた筆跡。
大輔は悪い予感とともに脈拍が突然、通常の倍ぐらいの早さで打ち始めた。
ヤバい、ヤバい…。
しかし確かめないわけにはいかない。
大輔は封筒を裏返すと、差出し人の名前に釘づけになった。
なんとあの計画が失敗に終わり、火菜、勇、弥生の三人はそれぞれこの屋敷から逃げ出した。
このままだと三人が世間に出れば監禁の生き証人にもなりえる。
その上、清彦の残した告発のペンダントまでが回収に失敗したと聞いた時は胸が苦しくなって息が止まりそうになった。
なんとしてもアレだけは取り返さなくては……。
そう思う反面、体は鉛の様に重く、朝からベットから起きだせずにいると孫の弘輔がやって来た。
「おじいちゃん…大丈夫?」
可愛そうに父を亡くして心細いのだろう。
今にも泣きだしそうな顔をしている。
「弘輔 ありがとう。おじいちゃんは元気だよ。色んな事があったから疲れただけさ。でもお前の顔を見たら元気が出てきたよ!」
大輔はそう言うと本当に元気が出たような気がした。
すると弘輔もうれしそうに微笑んで、束の間の孫との癒しの時間を楽しもうとした矢先に家政婦の里子が大慌てで走りこんで来た。
「旦那さま 大変です!これが今届きました。」
里子の差し出した手紙の宛名は『中条 大輔』。
そして手書きで書かれたソレはなんとなく見慣れた筆跡。
大輔は悪い予感とともに脈拍が突然、通常の倍ぐらいの早さで打ち始めた。
ヤバい、ヤバい…。
しかし確かめないわけにはいかない。
大輔は封筒を裏返すと、差出し人の名前に釘づけになった。