エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
そこに書かれていたのは……まぎれもなく……

『中条 清彦』

の署名。

そうだ…。

どうりで見覚えがあるハズだ。

清彦よ。

死して尚、ワシに恨みがあるのか?

そうだな……ワシが悪い。

ワシがすべて悪いのだ。

いつの間にか封筒を持つ手が激しく震えていたらしい。

「旦那さま! 大丈夫ですか!?」

「おじいちゃん!?」

傍にいた里子と弘輔の声が聞こえるが段々と遠退いていく‥。

すると一気に血が下がり胸が苦しくなった。

「みんな すまない…。」

最後は声にならずに大輔は胸を押さえながら倒れ込んだ。

「キャー 誰か旦那さまが!!」

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