エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「お父さま 気がつきましたか……?」
大輔が目を覚ますとそこは病院のベットの上だった。
美佐子が心配そうに覗きこんでいる。
「なんだ…まだ生きとるのか。あのまま逝ってしまった方が良かったのに……。」
「なんて事おっしゃるんですか! 胸が悪いわけではなくストレス性ですから直に良くなりますわ。」
それからはもう大輔は何も語ろうとしなかったが
「お父さま…申し訳ないのですがあの手紙は勝手に開封いたしました。まったく里子も気が利かないと言うか、最初から私に見せればいいものを病人にあんなのを見せれば悪化する事ぐらい気付かなかったのかしら…。」
大輔はそうは思わなかった。
恐らく最初に美佐子の手に渡っていたらワシはまた知らないままで美佐子の独断で処理されていたハズだ。
「なぁ〜美佐子。もう止めないか?私たちのしている事の方が間違っている。世間にペンダントが出たらもうあきらめるしかない。」
「それは出来ません。なんとしても取り返さなくては…。大丈夫です。必ずなんとかしますから…。お父さまはしばらく入院なさった方がいいですわ。」
「いや、しかし…」
大輔が口を挟もうとすると
「お父さま。私たちはどうなってもいいんです。でも弘輔の将来を断つ事になってもいいんですか?」
もはや大輔には反論の余地はなかった。
大輔が目を覚ますとそこは病院のベットの上だった。
美佐子が心配そうに覗きこんでいる。
「なんだ…まだ生きとるのか。あのまま逝ってしまった方が良かったのに……。」
「なんて事おっしゃるんですか! 胸が悪いわけではなくストレス性ですから直に良くなりますわ。」
それからはもう大輔は何も語ろうとしなかったが
「お父さま…申し訳ないのですがあの手紙は勝手に開封いたしました。まったく里子も気が利かないと言うか、最初から私に見せればいいものを病人にあんなのを見せれば悪化する事ぐらい気付かなかったのかしら…。」
大輔はそうは思わなかった。
恐らく最初に美佐子の手に渡っていたらワシはまた知らないままで美佐子の独断で処理されていたハズだ。
「なぁ〜美佐子。もう止めないか?私たちのしている事の方が間違っている。世間にペンダントが出たらもうあきらめるしかない。」
「それは出来ません。なんとしても取り返さなくては…。大丈夫です。必ずなんとかしますから…。お父さまはしばらく入院なさった方がいいですわ。」
「いや、しかし…」
大輔が口を挟もうとすると
「お父さま。私たちはどうなってもいいんです。でも弘輔の将来を断つ事になってもいいんですか?」
もはや大輔には反論の余地はなかった。