エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
あの日私は夜勤だったがかなり早めに出勤した。
最近、中条氏がかなり悪くなってる所に最後の頼みの綱の部下にも見離されたらしくてかなりヤバくなっている。
だから少しでも元気付けられたらと病室に向かおうとしたが一人の見舞い客に気がついた。
その女性は10年程前に流行ったような野暮ったいワンピースに身を包み、深々とかぶった幅広の帽子をさらに押さえつけ、周囲の様子を伺いながら中条氏の部屋をノックした。
中から返事はなかったようだがその女性は意を決したようにドアを開けるとそっと中へと入っていった。
私はしばらく病室の様子を伺いながら内心で
(あぁ この人が中条氏の想い人だ!)
と思っていた。
彼女がそこにいた時間は10分にも満たなかったけど、再び出てきた彼女の頬が僅かばかり蒸気していてうれしそうだったのを今も鮮明に覚えている。
ノーメイクで若くもないが美しい人だった。
でも私が中条氏から聞いていた彼女は確か屋敷で囚われの身のハズ?
どうやってここまでこれたのか私は気になり後をつけた。
すると正面玄関まで来た時に、なんと!奥様が息子の弘輔君を連れて来ているのが分かった。
最近、中条氏がかなり悪くなってる所に最後の頼みの綱の部下にも見離されたらしくてかなりヤバくなっている。
だから少しでも元気付けられたらと病室に向かおうとしたが一人の見舞い客に気がついた。
その女性は10年程前に流行ったような野暮ったいワンピースに身を包み、深々とかぶった幅広の帽子をさらに押さえつけ、周囲の様子を伺いながら中条氏の部屋をノックした。
中から返事はなかったようだがその女性は意を決したようにドアを開けるとそっと中へと入っていった。
私はしばらく病室の様子を伺いながら内心で
(あぁ この人が中条氏の想い人だ!)
と思っていた。
彼女がそこにいた時間は10分にも満たなかったけど、再び出てきた彼女の頬が僅かばかり蒸気していてうれしそうだったのを今も鮮明に覚えている。
ノーメイクで若くもないが美しい人だった。
でも私が中条氏から聞いていた彼女は確か屋敷で囚われの身のハズ?
どうやってここまでこれたのか私は気になり後をつけた。
すると正面玄関まで来た時に、なんと!奥様が息子の弘輔君を連れて来ているのが分かった。